農家になるか、会社員になるか。
これは僕が大学生の頃の話だ。
就職活動をする中で出会った一人の女子学生が、こんなことを言っていた。
「農家になるか、会社員として就職するか。様々な選択肢を検討した上で就職先を決めました。」
その言葉を聞いた僕は驚いた。
それは「常識」とはかけ離れた考えだったからだ。
都内の大学で文系の学部を専攻している学生は、多くが公務員や大手企業への就職を志す。
少なくとも僕の頭に「農家になる」という選択肢はなかった。
当時の僕は、彼女を「変わった考えを持った人」だと思った。
そして次第にその出来事は忘れていった。
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しかし今、僕は彼女の言葉に強く共感している。
私たちには、本当は無限の選択肢があるはずだ。
会社員になることもできれば農家になることもできる。
開業することだってフリーターになることだってできる。
東京に住んでも良いし大阪に住んでも良いし、沖縄の離島に住んでも良い。
はたまたハワイやアフリカに住むという選択肢だってあるのだ。
私たちは「常識」という目に見えない縛りによって無意識に選択肢を狭めているのではないか。
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都内の大学に通う学生が卒業後の進路を考えるとき、「農家になる」という選択肢は決して上位に入らないと思う。
しかし彼女は違ったのだ。
他の大学生と比べ、各段に広い視野を持っていた。
そして一つ一つの選択肢を比較検討し、自分にとってベストな答えを導き出したのだ。
もちろん自分にとってベストだと思った環境でも、全てが思い通りに行くわけではないだろう。
しかしたくさんの選択肢を比較検討していれば、こう考えることができるのだはないだろうか。
「私はこの環境にいることで、こういったデメリットもあるがこういったメリットもある。」
「だから私にとってこの環境が一番合っている。」
そう思えたら、嫌なことがあっても受け入れやすくなるかもしれない。
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僕も、たくさんの選択肢の中からベストの選択を出来るようにしたい。
そのために広い視野を持つことを心がけようと思う。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
明日もまた更新するのでよければお付き合いください。